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悪性黒色腫,上皮内悪性黒色腫


指先に生じた悪性黒色腫。大きく、不正形で、正常皮膚との境界は不明瞭、色も褐色から白色と’むら’がみられ、典型的な悪性黒色腫である。 悪性黒色腫の初期病変かどうかの一つの目安として病変の大きがある。写真でみられるように、鉛筆をはみ出す大きさは要注意。

●概念
最も悪性度の高い皮膚悪性腫瘍の一つです。幸い年間発生率は10万あたりせいぜい1人程度で、比較的希な疾患です。発症部位としては、日本人に特有の傾向として足に生じやすいということが挙げられます(統計的に全体の30%)。

悪性黒色腫は確かに悪性度の高い腫瘍ですが、これには「一度転移を来せば」という形容詞がつきます。他の悪性腫瘍同様に、皮膚にに限局している時期に摘除できれば十分に完治可能なのです。従って転移する以前の段階でいかに発見するかということが重要になってきます。そのためには、悪性黒色腫の進展様式をまず理解しておく必要があります。
●上皮内黒色腫とは
ほとんどの悪性黒色腫は表皮の基底部に存在するメラノサイトの表皮内増生から始まります。このようなステージが通常2-3年続きやがて、表皮を突き破り真皮に浸潤し転移をきたすのです。実際問診してみると、腫瘤を形成して来院した悪性黒色腫患者さんのほとんどは腫瘤形成以前に通常のほくろとは明らかに異なる「あざ」が先行していたことを認識しているのです。この「あざ」こそが悪性黒色腫の初期病変なのであり、この時期に発見できれば間違いなく完治できたはずなのです。この悪性黒色腫がまた表皮にとどまっている状態を上皮内黒色腫と呼びます。
●早期診断のポイント
この上皮内黒色腫の特徴は以下のABCDです。

 ・  A: Asymmetrical of shape(形が非対称性である。)
 ・  B: irregularity on Border (辺縁が不正である。色のにじみ出しがある。)
 ・  C: Color of variegation (色調が均一でない。色むらがある。)
 ・  D: Diameter over 7mm(長径が7mm以上である。)

すなわち、生後に生じたもの(生まれつきのほくろは基本的に大きいので除外する、生まれつきのほくろが悪性化することはまれ)で、長径が7mm以上、不規則な形態を示す色素斑は悪性黒色腫の初期病変の可能性があるということです。疑いがあれば、皮膚科専門医に診てもらって下さい。
●治療
上皮内黒色腫であれば、正常皮膚をある程度含めて切除することで完治します。進展した場合には、リンパ節郭清や化学療法(抗癌剤による治療)も必要となります。
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