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見逃してはいけない! 皮膚の悪性腫瘍


日光角化症(老人性角化腫)
皮膚科以外の先生には馴染みのない病名だと思われますが、頻度の高い上皮内癌一型であり、銘記しておくべき悪性腫瘍です。慢性の紫外線暴露が発癌に関与していると考えられおり、高齢者の顔面を中心とした日光裸露部に好発します。さまざまな臨床型をとりますが、不正形の落屑性紅斑としてみられることが一般的です。そのため、湿疹などとして誤った医治を受けている例が多々みられます。日光角化症が必ずしも浸潤癌に進展するわけではありませんし、しばしば多発しますので、全ての病変を外科的に切除することは、さまざまな見地から必ずしもベストの方法とはいえません。進行度や大きさ、年齢などを勘案しながら、冷凍療法などを含めた治療法を検討します。いずれにしろ、本症を上皮内癌と認識することが何より重要です(図)。
ボーエン病
日光角化症と同様に、上皮内癌の一型です。紅褐色の扁平局面であることが定型像で、躯幹、四肢に好発します。 日光角化症と異なり通常単発で、切除しやすい部位に生じますので、確実に摘除します。
●基底細胞癌
顔面に好発し、黒色の結節〜腫瘍というのが定型像です。本腫瘍は局所浸潤性ではあっても、転移することは希なので外科的に完全に切除できれば治療としては十分です。しかし、顔面の単純縫縮しにくい部位に生じることも多々あり、植皮や皮弁形成術などの形成外科的手技が必要な場合もあります。日光角化症に次いで頻度の高い腫瘍です。
●有棘細胞癌(扁平上皮癌)
日光裸露部に好発する悪性腫瘍で、肉芽様、カリフラワー状形態の腫瘍を形成することが多いようです。日光角化症は進展するとこのタイプの癌に移行します。基底細胞癌と異なり、真皮内へ深く浸潤すると転移の危険があり、初期に完全摘除することが重要です。
●パジェット病
パジェット病は、乳房パジェット病と乳房がパジェット病に分類されますが、この2疾患は異なる起源のもので、別疾患と考えた方がよいようです。すなわち、乳房パジェット病は乳癌の皮膚浸潤を指すもので、乳癌の一型に過ぎませし、一方、乳房外パジェット病は表皮に原発するアポクリン腺の上皮内癌として初発します。そして、乳房外パジェット病のほとんどは外陰部に生じます。本腫瘍は、臨床的には外陰部の紅斑や脱色素斑として認められますので、湿疹や白癬としてしばしば誤診され、長期にわたり放置されている例が多いものです。 外陰部の難治性湿疹様病変をみたら、必ず本腫瘍を想起し、生検などで確認をとる必要があります。浸潤してしまうと予後の悪い疾患ですが、上皮内癌の時期に発見できれば完治できます。


悪性腫瘍は一晩でできるものではありません.完治可能な時期が必ず存在するものです。とくに、皮膚腫瘍の場合外から観察できますので、診断能力さえあれば必ず発見できるはずです。国民がすべて定期的に皮膚科専門医に診察を受けていれば皮膚癌で亡くなる人は劇減するものと確信するものです。