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トップ  >  編集後記 (県医師会会報誌 09年6月号)
 新型インフルエンザ、ひとまずは終息の方向にあるようだが、改めて感染症対策の難しさを知らしめてくれたようだ。例えば水際対策、その効果は限定的なことを知りながら、それを偏重し過ぎ、国内発生を早期に検出するための外来サーベイランスやスクールサーベイランスなどコミュニティの中での感染チェックを怠ったため、国内発生の発見が遅れたとの指摘がある。「マスクやガウンを着け検疫官が飛び回る姿はパフォーマンス的な共感を呼ぶので、利用されたのではないかと疑っている」との現役検疫官の国会での発言は、国の水際対策に対する不信感をあらわにしたものであった。

 地域での対策も、決してスマートなものではなかった。当初、蔓延期においては、医師会が保健所や休日診療所を利用して発熱外来を運営するという方針だったが、神戸、大阪などでの患者の急増にあわてたのか、「手挙げ式」の発熱外来設置に急遽方向転換した。しかも、その手挙げ募集期間はわずか3-4日。診療所が発熱外来を設置するには、一般の患者と発熱患者とを時間的・空間的に区別する必要がある。一般の診療所単独で簡単にできることなのであろうか。例えば、午前中を発熱患者のみ、午後を一般患者とした場合、午前に来院した一般患者を断れるのだろうか。午後に来院した発熱患者を門前払いし、その紹介先をどうするのだろうか。地域全体として対策を考えないと住民が混乱するのは目に見えている。そもそも、発熱外来の設置は個々の診療所で即断できるような問題ではなく、行政のやり方は拙速に過ぎるし、あせっているとしか思えない。

 発熱外来設置医療機関については再度意向調査を行うことになると思われるが、地域の医療を担う医師会としては、会員への十分な説明とともに、可能な限り多くの医療機関の参加を求め、それぞれの負担を軽減しながら、ハイリスク患者への感染を予防しつつ、新型インフルエンザ患者が十分な治療を受けられるよう指導的役割が求められる。冬季に来る可能性が高い「第2波」に備えて、新型インフルエンザにどう対応するか、国・県の対策もさることながら、医師会としての指導力が試されているように思う。