ID : Pass : 新規登録
メインメニュー
リンク
医師会長だより
Net4Uホームページ
ほたる
庄内プロジェクト
庄内南部地域連携パス推進協議会
ログイン
ユーザー名:

パスワード:


パスワード紛失

トップ  >  新Net4UとID-Link(めでぃかすとる2012/2)
Net4Uの課題

Net4Uは2000年1月の運用開始以来、25000名超の患者を登録し、地域の医療連携に欠かせないツールとして定着している。とくに、在宅医療、なかでもがん患者の在宅緩和ケアにおいては、在宅主治医、緩和ケア専門チーム、訪問看護師、薬剤師など多職種によるチーム医療を支援するツールとして活用されている。
一方で、システム自体は大きな課題を抱えている。そのひとつがライセンスの縛りやサポート業者の撤退で、今のNet4Uを延命させることは難しく、あと1−2年残されたサーバの寿命とともにいずれは使えなくなってしまうという深刻な問題である。さらに、Net4Uの運用を開始した10年前とは医療を取り巻く環境が変わり、地域連携パスや在宅医療など、医師、看護師のみならず、薬剤師、リハスタッフ、歯科医師、ケアマネなど福祉系スタッフなどとの多職種連携を支援するシステムが求められる時代となり、今のNet4Uの機能では十分な対応ができないという現状がある。これらのことから、新Net4Uの開発は喫緊の課題として検討されてきた。また、新Net4Uの開発にあたっては、ライセンスに縛られることなく、将来の医療の変化に応じて自由に改変可能なシステムが望まれていた。

山形県医療情報ネットワーク整備事業とID-Link

Net4Uの動きとは別に、山形県では、医療再生基金を利用して、医療情報ネットワーク整備事業を進めている。この事業は、インターネットを介して複数の医療機関間での情報共有を可能とし、医療連携を進めるというもので、県内の4つの医療圏毎にそのIT化や医療連携の進捗状況に応じて、それぞれに事業を進めているところである。庄内と米沢・置賜地域では、ID-Linkという仕組みを利用して、病院の電子カルテ情報を患者の同意のもと、患者が通院する医療機関へ開示するシステムを順次導入中である。
酒田地区においては、「ちょうかいネット」という名称で、昨年4月から、日本海総合病院、本間病院の電子カルテ情報が閲覧可能となっている。登録施設は、医療機関、老人施設、薬局など約50施設に及ぶと聞く。鶴岡地区でも本年4月から、荘内病院とNet4Uのカルテ情報がID-Linkを利用して、患者の同意のもと、患者が通院する医療機関から閲覧が可能となるよう準備が進められている。なお、庄内地区は、患者の往来も多くなり、同じ医療圏として扱った方が良いだろうとの考えのもと、荘内病院やNet4Uが「ちょうかいネット」に参加するという方向でネットワークの構築が進んでいる。
ID-Linkは、全国各地で採用が進んでいるが、病院の電子カルテ情報を診療所へ開示するというのが一般的な利用法で、Net4Uのような地域電子カルテをID-Linkを介して閲覧可能とするのは、全国初の試みになるようだ。

ID-Linkのしくみ

ID-Linkは、患者が通院している医療機関のカルテ番号(ID)をインデックスとして登録することで、患者の通院先のカルテ情報の相互参照を可能とする仕組みであり、ID-Link自体はデータを保持しない。なお、ID-Linkは、開発元のSEC社の商品名である。ID-Linkが機能する前提として、情報提供側は標準化された(規則に沿った)カルテ情報とデータを公開するためのサーバが必要である。
図1は、ID-Linkの主画面であるが、処方、検査、画像などの項目毎に、実施された内容が時系列で示される。実施された内容はアイコンをクリックすることで閲覧できる。患者が複数の医療機関に通院していても、一つのテーブルで表示されるので、大変分かりやすいインタフェースになっている。
Net4Uの場合は、Net4Uを病院の電子カルテと同じとみなすことで、Net4Uが導入されていない施設からも、ID-Linkを介してNet4Uの情報が上記のテーブルから閲覧できるようになる。ID-Linkから、Net4Uの情報を閲覧できるようにするには、Net4Uを改造する必要があり、このことも新Net4Uの開発が必要な理由のひとつである。

新Net4Uの紹介

以上の経緯を経て、本年4月から、いよいよ新Net4Uが稼働する。ここでは、新Net4Uのスクリーンショットをいくつか紹介して、雰囲気を味わってもらいたいと思う。図2がトップ画面であるが、電子カルテとはとても思えないまるでブログやSNSのポータルサイトのような斬新なレイアウトを採用している。左上には、ユーザ、すなわち医師、看護師などの写真を載せることができる。もちろん、載せる必要はないが、顔の見える関係が望まれる地域医療においては、顔を見せあうということがより密な連携につながることを期待しての発想である。右上にはニュースヘッドラインがあり、最新の地域のニュースなどが自動的に表示される。下半分は、診察した患者の最新のリストである。
図3は、患者検索画面である。現在のNet4Uは、患者検索機能は極めて貧弱であったが、新Net4Uでは、患者名や生年月日、共有施設などがキーワードで検索することが可能となる。図4はカルテ画面である。左欄には、患者の基本情報と患者が通院している医療機関(施設)名が表示される。新Net4Uではカルテを共有していなくとも、患者が通院している医療機関が表示されるようになった。図4は実際の患者であるが、5つの医療機関でNet4Uに登録され、それぞれの処方などが参照できる。右に所見、処置、処方などいわゆるカルテ情報が表示され、真ん中の画面では、患者の受診状況が日、月単位で俯瞰できる。
診療情報提供書、訪看看護指示書など文書作成は独立した機能となり、作成した各種文書を患者ごとに管理することも可能になった(図5)。また、過去に受送信した紹介状などの内容も一覧できるようになった。詳細については、実際に触れてみないと実感できないと思うが、3月9、12日に説明会を予定しているので、スタッフを含め多くの皆様の参加を期待したい。

新Net4UでID-Linkはより使いやすくなる
上で述べたように、新Net4Uは多施設連携機能を強化した電子カルテシステムであり、一方、ID-Linkは異なる施設の電子カルテを結ぶプラットフォームである。それぞれ全く別物であるが、Net4UをID-Linkとつなぐことで、いくつかのメリットが生まれる。
従来Net4Uの情報は、Net4Uに参加しないと閲覧できなかったが、ID-Linkを利用することで、Net4Uに参加していない日本海総合病院などからも新Net4Uの情報を閲覧できるようになる(もちろん患者の同意と医療機関の申請が必要だが)。例えば、病院と診療所で循環しながら患者を診ている場合、病院側から診療所の検査データや処方内容などを相互に参照、確認することが可能となる。また、診療所から病院のカルテ情報を見たい場合、新Net4Uからはワンクリックで当該患者のデータにアクセスでき、また、ID-Linkへの登録も簡便になる。病院のカルテを閲覧したいなら、新Net4Uを導入した方が何かと便利だろう。
脳卒中、糖尿病、がん、認知症など慢性疾患が主体となる高齢化社会においては、病院から在宅まで、医療・介護のシームレスなサービス提供が求められている。その実現のためには、患者が関わる多職種・多施設間での情報共有が欠かせない。それを可能とするのが、新Net4UやID-LinkなどのITである。新Net4U とID-Linkの同時導入という、鶴岡の医療IT化の大きな転換期に、多くの皆さんの参加を期待したい。