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トップ  >  編集後記(県 2007.06)

山形県会報誌 編集後記
三原一郎
2007年6月号



4月に日医で行われた特定健診 ・ 特定保健指導の研修会に参加してきました。特定健診 ・ 特定保健指導については、すでにご存じの方も多いと思いますが、来年4月より実施される、全く新しいコンセプトに基づいた健診です。生活習慣病の元凶が内臓脂肪型肥満(メタボリック症候群)であることに着目し、その予備群には保健師、管理栄養士などによる生活指導を徹底し、5年後には生活習慣病の発症を25%抑制するというものです。


この健診で特筆すべきは、その事業主体が医療保険者(市町村、健保組合など)であり、健診費用がおもに医療保険で賄われることです。すなわち、医療保険制度という観点から医療とはみなされていなかった疾病予防に、医療保険が投入されるという意味では画期的なことと思われます。この特定健診、医療保険者にとって晴天の霹靂だったようですが、予防に投資をしても、生活習慣病の発症を減少させることができるのであれば、長い目でみれば得になるという判断もあったものと思われます。その意味でも、特定健診は国のみならず保険者にとっても、成果(=医療費の減少)が求められているわけです。


また、特定健診では、健診結果の電子化が義務化され、それらは保険者が収集し、管理することになっています。さらに、23年度にはレセプトオンライン化が原則義務化され、医療機関のレセプトデータも保険者に集約されることになります。そうすることで、例えば、高額なレセプトの人の過去の健診結果を調べて、何年前にどのような状態であったか、適正な予防的介入がなされていたのか、などを解析できるようになり、より精度の高い健診 ・ 指導へとフィードバックできるというのが国の思惑のようです。しかし、われわれ医療機関側からみると、“保険”病名の多いレセプトデータと健診結果との突合分析なんて、解析以前の問題が多すぎ、絵にかいた餅にしかみえません。かといって、われわれから、レセプトの病名なんか当てにならない、と公言もできずなかなかに難しい問題を含んでいます。今後は診療情報の電子化とその統計、解析が進んでいくものと思われますが、それを意味あるものとするには、情報の入り口である診療報酬体系を抜本的に見直す時期にきているのかも知れません。