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第7回: 導入体験記その2(土田内科医院)


平成14年の終わりごろ、これまで10年余り使用してきたレセコンが来期点数改正に対応できない、もう新しいレセコンに切り替えるしか方法はないと業者に言われました。オルカを導入して古いレセコン(それでも僕のよりは新しい)が不要になったはずの三原先生に、それとなく相談したのは、要らなくなったレセコンを格安で(まあタダ同然で)譲っていただけるかもしれないという、まことにさもしいしみったれた願望に基づくものでした。目論見は見事にはずれ、なんと自分自身がオルカに手を出す羽目になってしまったわけです。今にして思えば、相談相手の選択を誤まったとしか言いようがありません。飛んで火に入る夏の虫。

三原先生の迅速な(有無を言わさぬ)対応のおかげでサポート業者との交渉もスムーズに進み、清水の舞台から飛び降りる思いでオルカ導入を決心し、職員にそれを宣言したときには、残された準備期間はわずか一ヶ月。よくもまあ付いてきてくれたものだと、職員には感謝しています。

以下は、院長から難事業を“丸投げ”された当院職員の一人、長谷川薫による、まことに貴重な「オルカ導入記」であります。ご同輩、心して読まれよ。

(土田兼史)



平成15年3月 いままで慣れ親しんできたレセコン<東芝 トスメックコンピューター>を<オルカ>(何者?)に変えます、と突然院長が宣言した。平成4年の開業以来、トスメックと苦楽を共にしてきた私にとって、トスメックの行方は、このまま廃棄物か、それとも リサイクルされて、どこぞの医療機関で第二の人生を歩むのだろうかと、気になるところであり、寂しさを感じるほどの仲になってしまっていたのです。しかし、その(何者?)であるオルカを導入すると宣言した院長いわく「今までより楽になるはず」(この時点では具体的に、何が楽になるのか院長も私たちもわかっていなかったのですが)ということで、私たちもオルカとの出会いをワクワクしながら、待っていました。

到着したオルカはIBM社のパソコン。システムの技術者。操作方法を教えてくださる女性。わずか5、6時間の間で接続、操作をたたきこまれ(接続の部分は私たちの関与するところではないが)説明が終わる頃には、患者登録ってどうするんだっけ、というありさま。4月から本当に起動させることができるのだろうか。この数日のうちに操作をマスターできるだろうか。これを乗り切れば、きっとトスメックにはなかったすばらしい機能で、何もかも楽になる?・・・・・・不安と希望がごちゃごちゃしていました。

それからの数日間は、某社コールセンターに、我ながら呆れるほど1日何回も操作方法の電話の嵐を浴びせてしまいました。ありがたいことに、今までトスメックに登録してある患者は、あらかじめサポート業者が入力をしてくれるというので、その作業と手間が省かれただけでも、助かった〜という感じでした。

そして、平成15年4月から本格的にオルカを使っての会計がスタート。あいかわらず、 某社コールセンターへの電話の嵐は続き、それに加え、会計をしながら今までの病名を入力しなければならず、その手間のせいで、この時期、会計で患者を待たせてしまう日々が続きました。

その一方で、端末が1台増えて2台になったことは、会計での待ち時間の短縮、会計業務をしながら別の患者さんのカルテ番号を検索したり、統計がとれたりなど、作業能率の飛躍的な改善をもたらしました。

導入してからの1年間は、従来どおり紙のレセプトで請求していましたが、いったんレセプト印刷を開始すると、もう1台のパソコンで会計処理をして印刷した領収書も、レセプトのなかに混在してしまうため、領収書を探し出すことが困難で、結局、昼休みにレセプトを印刷したりしていました。また、レセプトの集計でなかなか正しい欄に集計されてこなかったり、県単医療分の集計は、サポート業者の方も全く知りえないことだったらしく、プリントアウトできるようにに至るまでかなりの時間がかかったりなどのストレスもありました。

それでも、以前のトスメックに比べると、保険証をさかのぼって変更することが可能でした(トスメックでは、データが3ケ月で消えてしまったのですが、オルカではその容量はまだわからないが、延々と遡ってチェックできるのです)。また、薬価や診療報酬点数の改正などへの対応は、一度クリックするだけで済んでしまい、時間も手間もかからず、簡単に終えることができるようになりました(トスメックでは、その作業に2、3時間かかり、その間全く他の作業ができなくなっていたのです)。

オルカ導入から1年、今年の4月からは、フロッピーディスクでの請求を開始し、毎月数百枚に及ぶレセプト用紙代がまったくかからなくなりました。これは用紙代だけでなく、プリンタのトナー交換の経費節減にもつながりました。それでもまだ問題はあります。レセプト点検の際、某医院(すでにオルカを導入している)では、2台のパソコンをフルに活用し点検しているらしいのですが、うちではそれができない。1台で点検、もう1台で会計等・・・・・・この問題はいまだ解決していません。

そんなこんなで、オルカ導入から1年半以上経ちました。導入時はなにかと苦労はありましたが、結果としては、院長の言葉どおり、医事作業全般が、より簡単に、より楽に、より少ない時間でできるようになりました。

願わくは、オルカがNet4Uと連動して欲しい。それが今の私の望みです。


(長谷川薫)