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第4回:ORCAと従来のレセコンとの違い


日医執行部が変わり、ORCAプロジェクト見直し論が浮上、普及にブレーキがかかるのではないかと不安視する向きも多いようである。レセコンメーカーはチャンスとばかり、「新執行部になってORCAはもう駄目のようですよ」と、反ORCA宣伝に余念がないとも聞く。しかし、先日、熊本で行われたCOMNESで、松原新情報担当理事は、ORCAはレセコンとしての機能を優先させ、今後とも普及に努めると講演したとのことである。一安心といったところか。

さて、今回はORCAが従来のレセコンと比し、何が違うのか、という点について述べてみたい。

相違点のまとめは表に示した。


ORCA(日医標準レセプトソフト)は、あくまでソフトウエアである

従来のレセコンは、コンピュータにソフトウエアを組み込んだかたちで販売していたが、ORCAの場合は、公開されているソフトウエア(プログラム)を、業者がコンピュータに組み込んで販売するということになる。もちろん、ソフトウエアは、無償で手に入れることができるので、腕に自信のある方は、業者の手を借りることなく、ハードの投資のみでレセコンを運用することも可能である。しかし、業務に関わる問題でもあるので、なるべくベンダーへ委託するのが良いであろう。


価格

従来のレセコンは、初期導入費が300万〜500万円程度と思われるが、ORCAの場合、業者にもよるが、100万〜200万円程度が相場である。従来のレセコンに比較して1/2〜2/3程度となる。また、点数改正や薬価の収載は、日医のサーバから直接ダウンロードするので、別途費用がかかることはない。


データの互換性

レセコンに入力した診療情報を医療連携に応用したり、解析などに二次利用するには、データが標準化されていることが必要である。従来のレセコンは、各社独自なコードを採用しており互換性に欠けているばかりでなく、せっかく入力した貴重なデータが、一定期間後にはコンピュータから削除されていた。
ORCAでは病名、処置、薬剤などのデータに厚労省などが定めた標準コードを用いている。将来的に“使える”データであるばかりでなく、恒久的にコンピュータ内に保存される。ORCAでデータを蓄積していけば、将来、別のレセコンや電子カルテへ移行した際も、貴重なデータが生き残る可能性が高い。


ソースの公開

ORCAのソースコード(プログラム)は一般に公開されている。業者がORCAを改変し販売することも認められている。データ構造も分かっているので、コンピュータに詳しい人なら、さまざまなかたちでデータを抽出することも可能である。また、ソースを公開することで多くの目に触れることとなり、不具合やセキュリティー上の脆弱性を発見しやすい。


ネットワーク対応

ORCAは日医のサーバとインターネット経由で交信することで、バージョンアップ、薬剤マスタの更新、点数改正への対応などが可能な設計となっている。このことを利用して、新着情報として日医からのさまざまな情報も知ることができる


Windowsとの連携

ORCAはネットワークを経由して、Windows端末からもORCAと同じ操作法で利用可能である。このWindows端末からORCA利用を可能としたソフト(glclient for windows)も、ネット上に無償で公開されている。このソフトは日医総研が開発したものではなく、ORCAプロジェクトに共感したあるプログラマーが、ボランティアとして開発したものである。
 因みに、当院では受付にORCA本体を設置し、そのほかに薬局や診療室に置いた5台のWindows端末からもORCAを使えるようになっている。このように自由に造設することができるのも、従来のレセコンにないORCAのすばらしさである。


データのバックアップ

ORCAは、2台を同期させること(二重化)が可能な設計となっている。2台運用することで、メインマシンがダウンしても、バックアップ用マシンで迅速に復旧が可能である。また、日医にはデータのバックアップセンターがあり、ネットワークを介して、医療機関のデータをバックアップすることも可能である。大規模災害時にもデータが守られる。


進化および将来性

ORCAは、現在もユーザの意見を取り入れながら進化している。バージョンアップは、ネットワークを介して行われる。最近では、レセ電算への対応、レセプト印刷イメージのプレビュー機能、電子カルテとの標準的やりとりであるCLAIMへの対応などがある。また、ネットワークを利用した保険証の資格確認、電子オンライン請求、クレジットカードなどによる決済、診察券発行機能、などの機能は今後付加される予定である。なお、ORCAと連携できる電子カルテは、すでに20社以上から販売されている。


次回は、ORCA導入のポイントについて述べる予定である。


文責:三原一郎 (無断転載禁)